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2008年11月28日 (金)

シールアンV.Sシーデェーン

「ワンニー、スーアシールアンシーデェーン、マイダーイ!
(今日は黄色と赤の服はダメです)」

「A.U.A」のクルー(先生)が授業中にそう話す。

「いったい何のこと?」と思うだろうが、
僕らにはその意味がすぐにわかる。


もう随分前から、反タクシン派の政府団体
「P.A.D(市民民主連合)」による
政府庁舎の不法占拠が続いているが、彼らは
プミポン国王を象徴するカラー、シールアン(黄色)の
服を着て、現政府に対する抗議活動を行っている。

タイでは、何故なのかは理由はよくわからぬが
「色」に対するこだわりがとても強いようで、例えば
日曜から土曜まで曜日の色が決まっていて、
そのカラーのものを身に付けると
「チョークディー(縁起が良い)」と言われていたり、
自分の生まれた日の「曜日」を皆が知っていて、
その色を大切にしたりする。

そのことから考えると、多分国民が尊敬して止まない
キングプミポン氏の誕生曜日が月曜であり
「月曜の色=シールアン(黄色)」は、国自体を象徴するような
意味合いの色なのであろう。

その証拠に、日頃から毎週月曜日は、街でも
「キングのマークの刺繍が施された黄色のポロシャツ」
を着て仕事に出掛ける人々がやたらと目立つのである。

きっとそれを利用して、
「P.A.D」メンバーは常に黄色の服を身につけているわけだが、
彼らが行っている不法占拠などの活動が、もちろん
国民の統一された意思であるわけはない。

対するタクシン派の政府支援団体「U.D.D」は、
「日曜日のカラー=シーデェーン(赤色)」を身につけており、
「P.A.D」がたびたび行うデモや大規模集会で
「シールアンV.Sシーデェーン」という図式が出来上がるのだ。

何度か派手なデモを起こして軍隊と衝突し、
死傷者が何人もでて、その度にまたそれを理由に
抗議活動をするということを繰り返しているが、
黄色の服を着て居座っている人達が皆、
同じ意思の元であるかどうかは定かでなく、
「食事やギャラ(?)が目当てではないか」との憶測もある。

そりゃ、仕事もせずにず〜っとそんなことしてる人達だからねえ。

今回、バンコクの二つの空港
「スワンナプーム」と「ドンムアン」を占拠しているのも当然
「P.A.D」であり、要求は
「ソムチャイ首相の退陣と現政府の解散」であるが、二日目となる
昨日の夜、TVの会見で首相はそれをハッキリと否定した。

その結果29日(土曜)の夜まで、引き続き空港が閉鎖される
ことが発表されたが、このことによる国の損害は計り知れず
(空港の実害額は一日につき15億THBと言う)、実際問題
「テロ」と言えなくもないのではないか。

いきなり「黄色と赤を着るな」と言われても困るが、
本当に困っているのは旅行者達であり、その間
本国に帰れない外国人と、帰ってこられないタイ人にとっては
まったくのとばっちりであり、いい迷惑だ。


僕個人の意見を言わせてもらえば、
こんなことをして国に莫大な損害を与えるような団体が、
仮に政権を取ったとして任せられるわけはないし、
一度バリケードが張ってある占拠現場を見たことがあるが、
最前線にはライフルを持ったいかにも悪そうな輩達がいて、
どう見てもいいイメージでないことは確かだ。

ただ、TVのニュースで座り込みをしている現場を見る限り
「お祭りムード」というか決して戦闘モードではなく、
おばちゃん達とかがハチマキ(?)をしているのを見ても
なんとなくおかしな感じに映る。

つまり、気合いの入っているのはごく一部であり、ほとんどは
人数合わせのために参加しているだけなのだろう。

では、対するタクシン派がいいかと言えば、
単純にそうも思えない。

確かにタクシン氏はタイの発展に大きく貢献した人物であり、
その部分を評価し感謝している国民もたくさんいると聞くが、
元々華僑の出身であるという彼が、首相の立場を利用しての
土地等の不正取得などで莫大な個人資産を持ったという疑いが
あることも事実であり、すでに有罪判決も出ている。

現首相のソムチャイ氏はタクシン氏の義理の弟に当たるので、
裏で糸を引いていると思われても仕方がなく、
しかも本人はなんとも頼りない印象であり、やはり
タクシン氏のようなカリスマ性のある人物が、
今のタイには必要な気もする。

おまけに、現政権を握る政党
「国民の力党」内でも意見が分かれているらしく、
しかも、軍隊のトップであるアヌポン陸軍司令官さえ
ソムチャイ氏の辞任と現政権の解散を要求するくらいだから、
相当ナメられているようにしか思えない。

タイは数年前に一度、タクシン政権の時に
クーデターが起こり軍事政権になっており、
政界と軍隊が一枚岩でないことが話をややこしくしているのだ。

そうでなければ、今回の
「空港占拠事件」だって未然に防げたはずなのである。

つまり、軍は「P.A.D」が大人数で空港に移動するのを
わかっていて止めずに傍観していたのだから
まったく理解に苦しむ。

よーするに「政府」と「軍」と「P.A.D」が、
互いに牽制し合って身動きが取れないように見えるのだ。

どちらにしても、12/5に迫っている
国王の誕生日という一大イヴェントまでになんとかせねばと、
焦った「P.A.D」が今回の暴挙に出たのであろうが、
それがこの国のために良いことのようには、
僕にはとても思えない。

それでなくとも、米国を発端にした世界不況の波が
タイにも確実に訪れるわけであり、ここ数年は
経済的にもかなり厳しい状況になることは明らかなのに、
「他の国におんぶにだっこ」のこの国が、果たして
その難局を乗り切れるのかが心配で仕方がない。

観光産業に関してはすでにかなりの影響が出ているはずだし、
今回の空港麻痺の件で、更に
世界中によくないイメージを持たれたことだろう。

ただ、現実問題クルンテープで暮らしていても、
特定のエリアに行かなければ、もちろん
全く危険な目に遭うことはなく、
街は普段と全く変わらず機能しているし、
ビアガーデンは今日も満員である。

つまり今現在は、空港に近寄りさえしなければ
僕らの身になにかが起こるわけではない。

だから、ニッポンでニュースを見て、もし
心配してくれた人がいるとしたら
これを読んで安心して欲しい。

将来的にどうなるかはわからないが、少なくとも
「微笑みの国」タイランドは何も変わらないし、
空港さえ再開されれば、いつでもまた
観光に訪れてもらいたいと思う。

「シールアンV.Sシーデェーンの争い」に
巻き込まれるつもりはないし、こちらに永住する僕としては
なんとか争わずに、人の血も流すことなく
無事解決して欲しいものだ。


ま、いきなり
「赤や黄色の服を着てはダメだ!」
と言われるのも

「アメージング」なことでは
あるけどね。


*最近買ったものシリーズ。
habitatのセールでランプを購入(1800THB)。
Img_4048

ベタなタイ文字Tシャツ175THB。
Img_4046

バッグ398THB、ソックス35THB、そして
ピースペンダント(79THB)に平和の願いを込めて。
Img_4044

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