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2009年6月27日 (土)

マイ

「チョープ」というタイ語がある。

ニッポン語で好き、正確には
「好きだ」とか「好む」「好く」という意味の動詞であり、
使用頻度の高さや必要性から、一般的にはわりと
早期に憶えるであろうと考えられる単語のひとつなのだが、
動詞なのにもかかわらず行動というよりは感情面を示す言葉のため、
形容詞的要素が加わり、理屈っぽいオレとしては
キチンと理解するのになんだかやっかいな印象を受ける。

つまり、頭に否定の意味である「マイ」を持ってきた時に、
普通の動詞、例えば「飲む」「食べる」「歩く」などのように
「飲まない」「食べない」「歩かない」といった単純なことにはならず、
「好きぢゃない」「好まない」というなんだか曖昧な感じになるし、おまけに
「嫌いだ」「嫌う」などという全く逆の意味の言葉が存在するので、
より複雑な状況となるのだ。

だって「好きぢゃない」と「キライ」は似て非なるものだし、
「好きぢゃない」の範囲はかなり広いわけで、幼い頃、
本当は好きなクセに素直になれずに
「お前のことなんて好きぢゃないし」と、口ではつい言ってしまう
「好きぢゃない」まで含めたら大変なことになるわけで、そこに
「キライぢゃない」を加えたらもう
さっぱりわけが分からなくなってしまう。

ちなみに「嫌う」はタイ語でグリアットであり、
「好きではないけど嫌いでもない」を直訳すると
「マイチョープテーマイグリアットドゥアイ」となるが、
そんなことタイガールに言ったところで、眉間にしわを寄せて
「ハ???」と返されるのがオチだ。

とにかく、タイ語では動詞だろうが形容詞だろうが
なんにでも「マイ」を付けて逆の意味にするので、たまに
納得のいかないところが出てくるわけで、もう少し具体例を挙げれば、
「熱い(暑い)」の「ローン」と「冷たい」の「イェン」の場合、
コーヒーなどの飲み物に関して言えば
ホットで摂氏90℃、アイスで6℃が仮にちょうどいい状態
「ポディーポディー」だとして、温度で表現するなら
90℃を起点にそれ以上高ければローン、それ以下ならマイローン
6℃を起点にそれ以上低ければイェン、それ以上ならばマイイェン
という具合に発進地点は一緒のはずであり、冷めてしまった
ホットコーヒーと、氷が溶けてしまった
アイスコーヒーが常温になった時点で
「熱くない(マイローン)」と「冷たくない(マイイェン)」はそれぞれ
表現としての「限界を迎える」ということになるのではないか。

ニッポン語ではその状況を表す
「ぬるい」という便利な言葉があるのだが、タイ語には
それに準ずる単語はオレが知る限りなくて、それらに
「マイコーイ(あまり〜でない)」「ニッノイ(少し)」
「コーングカーング(かなり)」「マーク(とても)」
「マックマーク(めっちゃ)」「ジャンルーイ(超*ちょー)」
「グーンパイ(行き過ぎ)」などを合わせて
微妙な表現をするしかない。

学校では、
「コーングカーング(かなり)」の意味を説明する時に、それが
「ヤーク(難しい)とマイヤーク(難しくない)の間にある」などと、
クルーがわけのわからない説明をするので、タイ日辞書には
「かなり」と書いてあるその言葉を
「そうではなくニッノイとマークの間ぢゃないの?そもそも
ヤークとマイヤークはスタート地点が一緒なのだから、
そこに<間>など存在しないではないか」と反抗しようとするものの、
タイ語と英語のみではそんなにうまく伝えられず、声を荒げ
イライラしながらいつまでも喰い下がっていたものだ。

意味わかるかな?

よーするになにがいいたいのかというと、
その言語によってルールが違うのに、全てを
自分の国の言語に当て嵌めようとしたところでムリがあるしので、
いちいち理屈で納得する必要はないってことか。

いやいや、こんなことを書きたいわけではないのだ。
本当は「駐妻」の話だったのにそれを中断し、
すっ飛ばしてまで伝えたい内容とは、つまり
「好きぢゃないもの」
「好ましくないこと」の件である。


好きでない理由は、まず
「メン」であるということ。

「麺」でも「men」でもなく、タイ語でメンと言えば
「臭い」という意味で、なにが臭いのかと言えば、
タバコの煙の匂いの話だ。

いろいろな面で「幼稚な国だなあ」と感じるタイにおいて、
優れていることのひとつが「嫌煙天国」であるという事実。

ディスコでも飲食店でも、建物の中では基本的に
一切タバコを吸えないし(喫煙ルームは別)、外でも
罰金のエリアがけっこうあるし、最近では
「嫌煙キャンペーン」を大々的にやっており、
キングプミポン氏の一声で、TV画面にタバコが映ろうものなら
モザイクがかかるようになったくらいだ。

ニュースで死体、しかも「ドザえもん」を映す時にさえ
モザイクはかからないというのに....。

ニッポンにいた頃は、ちょっと飲みに出掛けるだけで
服にタバコの匂いがつくことは避けられなかったし、
居酒屋でコンパでもやろうものなら、その後、
仲良くなった女子のロングヘアーに鼻を近づけてみれば、
「タバコ+煙α」の混じり合った異様な臭気が漂ったものである。

ところがクルンテープでは、例え
タバコを欲する人数が尋常ではないはずのディスコでさえも、
外のテラスが喫煙エリアとなっている店がほとんどなのだ。

これは非喫煙者のオレにとっては大変ありがたいし、特に
シーシャの置いてあるところは、店内に
甘〜い香りが漂ってなんともいい空気である。

そんな中でもルール無用の
「店内喫煙オッケー(黙認)」というところも何軒かあり、
某「スクラッチドッグ」もそのひとつなのだ。

しかもシーシャを置きつつ「喫煙可」なんて、
どう考えたっておかしいやろ。

だからオレは最初からその店が気に入らなかった。

深夜、というか朝方までやっており、場所も便利であることから
人気の店であり、確かに盛り上がっていることはわかるのだが、
「R.C.A」終了の流れで何度か行くうち、そのあまりの
「ニッポン人の多さ」に辟易とさせられることとなる。
それに加えて、店がハネてから客目当てでやってくる
プロフェッショナル女子が多いのも当然であり、よーするに
客層が気に入らないのが一番の理由なのだが、とにかく
最近はめっきり足を運ばなくなっていた。

立地やハコの大きさはいいし、音自体はまあ
さほど悪くはないのだが、オールジャンルなその内容が
元々決して好みではないということもあり、居る間中ずーっと
TV画面で流れているサッカー中継を観ていたりしたものだ。

一昨日、「ZEED」が1:30に終了してしまい(最近ケーサツが厳しい)
ちょっと寂しかったので、誘われるまま久々に訪れて
「相変わらず居心地よくないなあ」と思いつつ、唯一の救いである
カワイイ女子スタッフのCちゃんとの会話だけを楽しむしかなかった。

そして昨日。

結局、先々週からほとんど休むことなく、今週も
水曜以外は毎日夜遊びをしていたので、特に
「ディスコへ行くことを少し控えねば」と思っていた矢先、
案の定電話があり「slim」へ出掛けることに。

そう毎日毎日テンションをアゲ続けられるはずもなく、いまひとつ
「ノリきれ」ないでいたところ、一緒にいたファンキー米国人
Aが好きなこともあり「スクラッチ」へ流れる話になり、
いつも彼のボトルをご馳走になっていたこともあったので、
せっかくだからと付き合ったのだが....。

Mジャクソン氏の追悼の曲が何度もかかる中、
ただでさえテンションが低いのに加え、いくつか
ネガティヴな要素が絡み合うことにより、気分は
だんだんオチていくわけで、そのうち
「ああ。オレはいったい何をやっているんだろう」となり、
煙の充満した店を出て地上(店はホテルの地下)へ上がり、
「7-11」でアイスクリームを買って玄関で座って食べながら、
いろんなことを考えてしまった。


そもそも、何故ニッポン人に会うのが
そんなにイヤなのだろうか。

多分、海外旅行先でニッポン人を見たくないのと
基本的には一緒の感覚なのだろうが、それにしても
旅行で訪れているにしろ、こちらで暮らしているにしろ、もちろん
タイのことが好きでやって来た人達なのだから、どこか
同じ感覚を持っているはずなのに。

特に男子に対しては、おそらく
「女子が目当てなのだろうなあ」と思うと、どうしても
それを素直に受け入れられないのかもしれないが、自分だって
「ゼロ」ではないだけに、矛盾している気もする。

ただ、心のどこかに
「オレはお前らとは(目的や覚悟が)違うんだ」
という穿った考えを持っているのも確かであり
「何をエラそうに」と、自己嫌悪に陥ったり。

こっちに来てまだ間もない頃、「slim」でTちゃんに
「イズミさーん。この人らナゴヤの人ですって」と、
フレンドリイな彼からその日に会った二人組を紹介(?)され
(うへー!ナゴヤかい)と、挨拶もそこそこに
小走りで逃げ去ったこともある。

どうしてこっちに来てまでナゴヤ人と話さねばならないのだ。
知人でもない人間と、同郷話で盛り上がりたいなどとは
1ナノも思わない。

そんな自分の考えにあらためて直面すると
「オレは結局ニッポンから逃げてきたのか」と、
ちょっと複雑な気持ちにもなる。

あかんあかん。
ネガティヴモードに入ってきたぞ。


別に人見知りをするってわけでもないんだけどなあ。
なにかちょっとでもキッカケがあって知り合う場合は、
それをごく素直に受け入れるクセに、不自然な出会いだと
最初は心を開けないタイプなのだ。

例えば女子を誘う時でも、たまたま隣のテーブルにいるとか、
誰かの知り合いだとか、ぶつかるとか、とにかく
「何か」が起こらないと声を掛けられないし、仮に手の届きそうな距離に
めちゃめちゃ好みのタイプのカワイコちゃんがいたとしても、
指をくわえて眺めているだけのことがほとんどだし。

運命を感じないと動けないということか。
いや違うな。
断られて自分が傷つくことを
恐れているだけに決まっている。

ただの「根性なし」やんけ。しかも
「ナルシスト風」だからタチが悪いぞ。

ああもう
落ち込むなあ。

ま、最近オチていなかったので、
たまにはいいか。


というわけで、結論としては
某「スクラッチドッグ」というディスコが好きぢゃない、というか、
逃げ場なくそこまでバシッと切り捨ててしまうことも正直
あまり好きではないのでそういう表現はイヤなのだが、ハッキリ言えば
マイチョープではなくグリアットなのであり、それと共に
理由は自分でも今ひとつよくわからないのだが、こっちで
見ず知らずのニッポン人を見掛けたり接触したりすることも、決して
望んではいないということである。

以上、
「好きぢゃないもの」と
「好きぢゃないこと」
に関するお話でした。

おわり。


*最近買ったものシリーズ。
なんの変哲もないナイロンのバッグなのに、995THBもした。
ただ、ちょうどいいサイズだったので。
Img_5719

Tシャツ350THBとアイマスク79YHB。
Img_5722

リング299THB。
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2009年6月23日 (火)

ハーイジャイ

マズいマズいひじょーにマズいぞこれは。
ついにお腹がポッコリしてきてしまった。

ずいぶん前、ジムに通い始めて
「腹筋を鍛える」とか言って写真を撮ってここに載せた時より
逆に一回りほど肉がついた感じだ。

原因は明らかに酒の飲み過ぎである。
特にここ最近スゴいペースで飲みに行っているからね。
土日火水金土日月と、ここ四日連続でしかも
今日もディスコに誘われている。

酔う楽しみを憶えてしまったのか、チビチビと飲んでいた以前とは違い
とりあえず自分で酔いを感じるまでガンガン飲むようになったし、
酔ってからの持続時間も確実に長くなった。
楽しいことは間違いないが、そーやって
「毎日のように酒飲んであとは家でゴロゴロ」なんて生活をしていたら
そのうち今流行りのメタボになってしまうぞ。マジで。

そうそう。そーいえば
前回の続きも「酒」に関連した話なので、
まずそっちを先に書くか。


金曜日。
パブでさんざん飲んで歌って踊って騒いでと、
楽しい時間を過ごした後、Eちゃんと別れ、
ひとりご機嫌で帰る途中の出来事だ。

まったく知らない地域だったので、方向音痴のオレは
ちゃんと説明されたにも関わらずすっかり道に迷ってしまう。
仕方ないのでバイ(ク)タク(シー)のにーちゃんに道を聞き、
やっとのことで見覚えのあるシーロム付近まで辿り着いたところ.....

「うわ。ヤバいぞ」

道の真ん中にデカい看板を立てて行っていた
ケーサツの検問にひっかかってしまったのだ。

クルンテープでは、おまわりさんが違反者を待ち構えて立っている所は
「昼間ならココ」「夜はココ」といった感じでだいたい決まっていて、
自分がいつも使う道の場合はちゃんと把握しているので、
そこを通る時はもちろん違反をしないように気をつけるし、
時と場合によっては迂回したりもする。

ところがそのエリアは滅多に通らないので、まさかそんな
「大々的な検問」をやっているとは知らなかったのである。

パッと見ただけで十人以上のタムルーアットゥが、
次々にドライヴァーの口に棒をくわえさせている。

「ははーん。飲酒検問だな」

などと余裕をかましてはいられない。何故なら
二十分前にジョニ赤の1Lボトルを空けたばかりだからね。

ニッポンで過去に一度だけ息をかけさせられたことがあったが、
さほど飲んでいなかったので問題はなかった。
クルンテープでは初めてであり、しかも
散々飲んだ後の状況である。

つまり、絶体絶命のピンチだ。

「もっとちゃんと吹いて!」
などと怒られつつ、一つ目の器具は当然オレンジ色の
「ダメダメマーク」が点灯。
二つ目のはマジに数値を計るヤツで、仕方なく
覚悟してハーイジャイ(息を吐く)。

「ピー」という音と共に出た数字は
「68」だった。

「あー。こりゃダメだ。ハイ。そこに座って」

リミットは「50」らしく、完全に
「酒気帯び運転」と判断され、見るからに厳つ〜い感じの
二人のタムルーアットゥに挟まれて
しゅんとするしかないオレ。

「なにをどれだけ飲んだの」
「ウィスキイを二、三杯かなあ」
「ホントか?とにかく罰金ハーパン(5000THB)だからね」
「いやいやいやいやいやいや。そんなお金ないっす。マジで」
「んなこと言ったってダメだよ。ニッポンではいくらなの?」
「ヌンセンバーツ(100000THB)だったかな」
「うへー。そりゃまた高価いな。
それに比べりゃ安いもんぢゃないの」

一人は書類に記入しながら
「月曜日に警察署まで払いに行くんだぞ」と、
いかにも厳しい感じのおっさんである。

路上で捕まって軽い違反を見逃してもらう時のように、
コラプションの100THB札を握らせれば済むような
雰囲気ではなかったが、とりあえず試してみようと考えた瞬間
(あ、財布の中空っぽだわ)と思い出す。

さっきのパブで四人でボトルを空け、いろいろ食べて全部で
1600THBとかなり安かったのだが、財布の中にはなんと
1000THBしかなかったのでそれだけ払ってあとは助けてもらった。
よーするに財布はカラであり、ポケットの中で
マネークリップに挟まれたお札が全財産なのだ。

あわてて確認すると100THB札二枚と20THB札四枚で計280THB。
違反の大きさからして、どう考えても
その金額で済むとは思えなかったが仕方がないのでそのお金を、
見えにくいようにテーブルの下で
書類を記入している方の膝にグイグイと押し付けつつ
「お願いだから見逃して。もう二度としないから。ね。ね」と懇願するも、
「ダメダメ」と、ちっとも聞き入れてくれず、
どんどんと書き進めていく。

ただ、巳年のオレは性格判断の本に書いてある通り
けっこうしつこくて執念深いところがあり、こういう時の諦めも
ひじょーに悪く、ニッポンでも、まあ軽い違反の時ではあるが
「なんとか見逃してくれ」と、あーでもないこーでもないと
しつこくしつこくいつまでも食い下がって、粘り勝ちで
よく許してもらったものだ。

だから今回も「ネバネバネバー納豆作戦で行こう」と考え、
「オレはタイのことを愛している。この国にずーっといたいのに
こんな目に遭うなんて....」
「あーもう本当にお金ないよー。死んぢゃうよー」などと、
泣きまねをしてみたり
「名前はホンダだけどバイクはヤマハ」と、いつもの
寒〜いジョークを挟んでみたり、仕事を聞かれれば
「ニッポン語の先生をしてるんだけど、給料が安くて....」
と、ウソをつき、いつまでもそうやってうだうだ言いつつ、
腕を組んで書類を記入する邪魔をしたりしていたら
「いーかげんにしないと逮捕するぞ」と、
ついに怒って手錠を出してきたので
「わかったわかった。もう何も言わないから」と、
おとなしくするしかなくなってしまった。

そんなこんなで、もうすっかり酔いも醒め
「あ〜あ5000THBかよ。イタいなあ」と、いよいよ
諦めモードに入ってうなだれていたら、
「ハイ。ぢゃあここにサインして」と言われ、
キップを切られたらもうおしまいだなと、完全に覚悟して
仕方なくサインをする。

すると、もう一人の方が
「いくら持ってるって?」と聞いてきたので、
「ホントにこれだけしかないのよ。マジで」と、
280THBを渡しつつ空っぽの財布も見せる。

「そうか。しょーがないなあ。ぢゃあ今日は
バイク置いてタクシーで帰るんだぞ」

そう言いながら免許証を手渡し、
オレのバイクの方をアゴで指すではないか。

(アホな。全財産取っておきながら
タクシーで帰れってどういうこと?)

一瞬思ったが、実はそうではなく
「体裁上(?)のセリフ」で言っているだけで、要は
「もう行っていい」ってことだと、すぐに気付く。
だって書類の控えだって渡されてないから、
罰金を払いに行きようもないし。

「ありがとう!」と言ってバイクに跨がり、
「ホッ」として帰途につく。

運転しながら、ただ単にああやって
時間を掛けて反省を促していただけなのか、それとも
ラッキ−だったのかと考えてみたが、どっちにしろ
5000THB払わずに済んだことは間違いないし、とにかく
「ニッポンだったら考えられないわ、こんなこと」と、あらためて
「タイの住みやすさ」を認識したというわけだ。

思わず笑いが込み上げてきて
「フーッ」と、今度はまったく気にせずに
酒臭い息を思い切りハーイジャイした後、
「サイコー!」と叫んでいた。


この件も、J君に話したところ彼は微妙な反応だったし、
結局のところはコラプションを取られただけの話なわけで、
「罰金が国にいくよりオレ達の小遣いが増えればいい」という風に、
ほとんどのタムルーアットゥが思っているようなこの国が、
「果たして本当にいい国と言えるのだろうか」と冷静に考えれば、
なんとも言えないところではある。

そして、そういう経験を重ねて
「何でも金で済む」という考え方になってしまうのは、
ある意味とても危険なことのような気もする。
実際、運転中に関して言えば、ケーサツなんて
ちっとも怖くなくなってしまったし、違反だって
あってないようなものだからもうやりたい放題である。

もちろんオレがそう思ってしまうことも危険だが、もし
ドライヴァーがみんなそう考えているとしたら、それこそ
とても恐ろしいことではないか。

なんだか複雑な気分ではあるが、ポジティヴに捉えれば
「何でもアリ」で「マイペンライ」なこの国のことが
大好きなオレにとっては、暮らしやすいのも間違いないのだ。

だから、
「金持ちにひたすら有利である」という
この国の仕組みの件については
とりあえず置いておこう。


というわけで中年太りの話に戻るが、
キィキアット(面倒くさがり)なオレにとって、
「ジム通い」はなかなか続かないわけであり、解決法としては、
仕事を始めて規則正しい生活をするのが一番なのだろう。

そんな中、Tちゃんに紹介されて実は今日一件
仕事の面接に行ってきた。
内容と条件が微妙でちょっと考え中だが、
今回はおそらく見送ることになるだろう。

そろそろ真剣に捜さないとね。

そして、
今日もまたディスコに行って
酒を飲むのだ。

もちろんタクシーではなく
バイクでね。

あ〜あ、
カロリイゼロで
酔っぱらえる酒が

あればいいのにねえ....。


*たまにこんな感じの雲がでてきて大雨が振ったりするが、
基本的にはスコールが多いのでそれさえ凌げばいいし、
雨期といってもさほど問題はない。
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2009年6月20日 (土)

パックワーン

「やっぱりタイはマジでいい国だ!最高だぜ〜!!
イェーーーーーーーイ」

深夜タノンプララムシー(ラマ4世通り)をバイクで走りながら、
思わずそう叫んでしまった。

ちっとも素面ではないクセに
「素」で口走ってしまったかなり時代錯誤なそのセリフも、
「この国には似合うのだ」と、今は本気で思える。

「68」という数字をオレはおそらく
一生忘れはしないだろう。

日々暮らしていると本当にいろんな事件が起きるが、
昨日のことについて言うと、帰り道であらためて
「タイという国にやってきたのは間違いではなかった」と
再認識するような出来事であり、今後の生活にも
ポジティヴな方向に影響するはずだ。


珍しく守られた約束通り、Tちゃんの勤める某和食屋さんへ行くため
午後六時にサラデーンの駅で待ち合わせ。
例のコヨーテ嬢の名前はEちゃんだった。

二十分遅れならなかなか優秀であり、更に二十分遅れた
もうひとりの友達は待たずに、さっさと店へ向かう。

昼間にあらためて見た彼女は、思った以上に「むっちむち」で
二の腕なんてタイ人にしては珍しいほど太いし、やはりやや
太めの足で、これはタイガールにありがちな、ガ二股で
(つま先を外に向けて)さっそうと歩く姿は
最初のイメージをやや崩すこととはなったが、それでも、実は
専門学校時代に好きだった女子に顔が似ていたりして、
オレの心をくすぐるだけのものは充分持っているのだった。

ただ、先日ここに確か
「スタイルもよくて....」などと記述したことについては、
お詫びを含め謹んで訂正させていただこう。

さて、食事を済ませ
「パイティアオティナイ(どこに遊びに行く)?」と尋ねると
「レンプールチョープマイ?」と聞き返してくるEちゃん。

「プール?ワイナームロー(泳ぐの)??」とクロールの真似をすれば
「マイチャーイ(違うってば)」と言って、軽く握った
左手に向かって右手をピストンさせる仕草で返す彼女。

ああビリヤードね。
OKOK。

というわけで、
「ん?マスターベーション??」などと
わけのわからないことを言っているJ君と、もうひとりの
「ウワン(太った)」な友達とは別れ、
二人でその店へ向かう。

ちょっとだけ雨が降ったし、道がわからなくなるといけないから
「バイクを置いてタクシーで行こうか」という話になったが
なかなかつかまらず、結局バイクで向かう。
結局、このチョイスが後の事件に発展するのだが....。

(丈の)短いワンピースだったので、ひょっとして
「横乗りか?」と思ったら、ちゃんと跨いで乗った理由は
下にショートパンツを履いていたから。
そうやって完全に隠れるような形で、ワンピースの下に
「見せショー(ト)パン(ツ)」を履くタイガールがけっこう多いのだ。

「プララムサーム(ラマ3世)の方よ」と言っていたが、
聞いたことのないような地名の場所に向かう道すがら、
地元出身だというEちゃんは、
「ここが(自分が通った)小学校で」「ここは高校(女子校)」
「ここはケーサツ署」などと説明してくれた。
途中、生家と思われる場所に寄ってピーサオ(おねーちゃん)から
なにかを受け取って、さらに十分ほど走ると店に到着。

そこはいわゆるパブのような所で、外に一台だけ
ビリヤードテーブルのあるまあまあ大きな店だった。
「ジョニデェーン(赤)1L」が、プロモーションでなんと
650THBとスーパーで買うより安いくらいで驚いたが、
次々とやってくるバンドが交代で演奏するような、
いかにもタイの若者の好きそうな雰囲気だ。

十一時を過ぎるとほぼ満席となり、驚いたことに
制服のままの女子大生が普通に入ってきたり、若くてしかも
けっこう可愛いコたちがわんさか集まってくるではないか。
入り口がガラス越しに見えるので、ちゃんとチェックしたが、
かなりイケてるコも十人近くは確認できた。

こんなことを書くと疑われるかもしれぬが、タイは本当に
女子のルックスのレヴェルが高く、ほとんどの場合
足が真っ直ぐでスラッと長く、顔も小さいコが多い。
身長も低めなのだが、中には大きいコもいて、
後からやってきたEちゃんの友達も身長175cmだった。

十数年前、短い期間ではあるが
モデルクラブのディレクターをやっていた経験上、
「商品」としての女子を見る目は確かなつもりなオレからしても
思わずスカウトしたくなるようなバランスのコは、
そこら中にゴロゴロしているのだ。

聞く所によると、足の形をけっこう気にするというタイピープルは
幼い頃から親が足をガンガン引っ張って育てるのだそうだ。
そのせいなのかはよくわからないが、基本的に太く短く、
最近でこそ少なくはなったが、昔は
「O脚」「X脚」などと呼ばれる曲がった足を持つ女子が多かった
ニッポンに比べ、驚くほどそのレヴェルは高い。

そして、二の腕の細さはもちろんのこと全体的に
「棒状」の体型のコが多いのだが、着た服をより美しく見せるには
そういったスタイルが求められるのが、まさに
モデルという仕事なのである。

そういう見方ではなく個人の趣味として考えたとしても、もちろん
「いいコ」がたくさんいるのは間違いないわけで、
エッチも含めた対象として見る場合、やや
「むっちり系」が好みのオレではあるが、それでも
細くて締まった手足やバランスの良いスタイルは魅力的に映るし、
顔の作りに関しても、東南アジア系が元々好きなこともあり、
最近では「いかにもタイ人」といった顔立ちの女子に
萌える傾向になってきて、ディスコや昨日のパブのような店で
タイガールウォッチングをしていると、目移りしてしまい
「あーもう、どれでもいいや!!」と、
投げやり(?)になってしまうほどだ。

そして、最も声を大にして言いたいのは、
そういうカワイコちゃん達が、
「どうせなら若いうちに楽しまなくっちゃ♪」とばかりに、
ディスコやパブやライヴハウスなど、夜な夜な街に繰り出して
飲んだり歌ったり踊ったりと、本当に楽しそうに
過ごしていることの素晴らしさについてである。

元々音楽が好きな国民性なのか、老若男女問わず
街の至る所で音楽を楽しむ風景を見掛けるし、普通に
巨大なブッフェレストランなんかにいっても、
バンド演奏やなんらかのライヴパフォーマンスがあったり、例えば
イサーンなど、地方ならではの音楽やダンスを楽しめる店も
本当にたくさんあって、お酒を出す店では、だいたい
最終的には必ずテーブルの廻りでみんなが歌って踊りだして
ディスコ状態になるのだ。

昨日の店でも、テンションの上がってきた女子大生達が
かなりの勢いで踊り出したのをきっかけに、結局
バンドの演奏やDJの流す曲に合わせて、
全員で大合唱である。

これだけいろんな店に行っていると、さすがのオレでも
かなり知っている曲が増えてきたわけだが、よーするに
今タイで流行っているポップスなどはどこでも必ず掛かっていて、
みんなが知っている曲にはだいたい決まった振り付けがあったりして、
バンドといっても、オリジナルを演奏するわけではなく当然のように
流行歌のコピイを、メンバーが変わろうと何度も繰り返し、
それに合わせて歌ったり踊ったりするのが、どうやら
楽しくて仕方がないようなのだ。

思えば、内容こそ若干違うが昔はニッポンにだって
そういう時代があった。
古くは「ソウルトレイン」など、一生懸命ステップを憶えて
みんなで合わせて踊ったものだし、バブル時代の
ユーロビートの頃などもやはり決まった「振り」があり、
お約束の曲でサイレンが鳴ったりして盛り上がっていたものだ。

その後の「パラパラ」などはよくわからないが、意味としては
ほとんど一緒なのではないだろうか。

オレがニッポンで店をやっていた頃、
「それにしても、カワイコちゃん達はいったい
どこに遊びに行っているのかねえ....」などと
よくぼやいていたものだし、最終的には
「たまにみんなでごはん食べてお茶するくらいで、
あとは毎日家で半身浴かい!せっかく磨いた体なんだから
もっといっぱい出掛けて見せなきゃアカンやろ!!」と、
よく怒っていたものだ。

そう。
ニッポン人はとにかく
「お茶する」のが好きなんだよねえ。

もちろん、ニッポンにもかわいこちゃんが
たくさんたくさんいることはわかっているが、彼女達は
服やメイクやバッグやアクセサリイや髪の毛など、
見た目を飾ることに金を掛け過ぎているし、
そんな姿を人に見せるのには、コ洒落たカフェが
「絶好の場所」と言わんばかりに、みんな一斉に
道路の方に向かって座ったりする。

酒飲んで大声出して髪の毛振り回して踊ったりするのが
「楽しくて仕方ない」なんて思ってるコはおそらく
ごく僅かに違いない。

「タイでも喫茶店をやろうかなあ」な〜んて思ってたオレにとって、
そんな文化がほぼ存在しないのはある意味残念だが、
ディスコやパブで歌ったり踊ったりする文化の方が、
何十倍も楽しめることはとっくにわかっているからイイのだ。

別に、ニッポンの人達に
「昔に戻った方がいい」なんて言わない。
そんなのは個人的価値観の違いなだけで、オレとしては、
単純に五感にうったえるようなストレートな楽しみ方が好きだし、
それが得意なタイピープルにとても共感を憶えるし、
そんな場に一緒にいると心から楽しめるわけだから
充分に満足なのである。


さて、もうひとりやって来たトムボーイを含めた四人で、例のごとく
「カンパイカンパイ」を繰り返し、最初のうちはオレの膝に置く
Eちゃんの手がだんだん熱くなってくるのを心地よく感じつつ、
さすがに女子を見る目が鋭いトムボーイのBちゃんに
「あのコはどうだ」「あのコ可愛いよね?」と、
興味津々に聞く女子二人と一緒に
「カワイコちゃんウォッチング」を楽しみつつも、
「でも、結局はお前が一番だな♪」とか、
「ブアマイ(退屈ぢゃない)?」などと気を使ってくれる彼女に
「マイペンライ。テァーユウティニータウナンディー
(君がここにいてくれるだけでいいよ)」とか調子いいことを言ってたら
「パックワーン(口が甘い*ウマい)」とつっこまれてしまった。

そうか。
ついにオレもタイ人にまで
そう言われるようになったか。
わはははははは。

酔っぱらっていい感じになってきた後は、廻りの連中と一緒に、
さすがにコヨーテ嬢だけあって振り付けをほとんど憶えている
Eちゃんの動きに合わせて踊ったり。

それにしても、本当に心から楽しそうなタイの若者達を見ていると、
思わずこっちもつられてしまうし、少しづつ少しづつ
そんな状況にも慣れてきたことを肌で感じられて、昨日はあらためて
「ああ、タイに来て本当によかったなあ」
な〜んて思ったりしたのだ。


というわけで、
実はまだつづきがあるのだが、
そろそろ出掛けるので

またね。


*ちなみにその店の名前は
「viva lasvegas」と、
なんとも微妙な感じではあるのだが。

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2009年6月13日 (土)

チュー

「おいおいマジかよっ!」

独りの部屋でつい叫んでしまった。
とんでもないことに気付いたからである。


苦労して手紙を書き終え、最後に
「dear」「from」の部分を入れようと、以前Bちゃんに本名を
(タイ人は名前が長いので通常はニックネームなのだ)
メモらせた紙を見て相手の名を記入した後、
その横に書かせた自分の名前の文字に目をやり
「あれ?」と思った。

「イスミホンダーってなんやねん!?」

タイピープルのクセである
「語尾を伸ばす」部分はまあよいとして
「ズ」を「ス」と間違えられてはたまったものではないぞ、と、
書き直すため頭に思い浮かべようとしても、
それに該当する文字が出てこない。

「そうか!Zがないんだ」

考えてみれば、
「タイ日辞書」に「Z」の項目はなく、よーするにタイ語には
「Z」から始まる言葉がない、いやいやそれどころではなく
「Z」という概念すら、つまり
「ザ」「ジ」「ズ」「ゼ」「ゾ」という
「音」自体が存在しないのだ。

こんなに長い間タイに居て、
何故今まで気付かなかったのか。

確かに、最初は憶えやすいという理由で、タイ人に
「ホンダ」と名前を教えた後、親しくなってからファーストネームの
「イズミ」を教えて、そう呼ばせようとしても
「イジュミ?イチュミ??」と、いかにも
発音しにくそうにしている光景を何度も見た覚えはある。

いやいやしかしこれは由々しき事態だぞ。
だって、タイ文字でオレの名前を表記することは不可能なのだから、
選挙に出ることはもちろん、住民票の登録すら
できないことになるのではないか。

さあ大変だ。
愛する母国のニッポンを断腸の思いで後にして、
タイに骨を埋める覚悟でやって来たのに、そんなオレを
真っ向から拒絶するというのか、
この国は!!

「本当にそうなのだろうか」と、もう一度辞書をじっくり見てみたが
やはり「Z」はどこにもないし、ついでに言えば
「V」の文字もないから
「ヴァ」「ヴィ」「ヴ」「ヴェ」「ヴォ」も存在しないことになるが、
これはまだ「バ」行に置き換えられるからよい。

オレの場合例えば
「ダ」行に置き換えても「ドゥ」にしかならず
「イドゥミ」という、なんとも情けない名前になってしまう。

ああ、なんてことだ。
今までタイに捧げてきたこの気持ちを、
一体どうしてくれる。

改名すればいいぢゃん。

な、な、な、何を言っているか。
親からもらったこの名前を、
そう簡単に捨てられるものか!!

う〜ん、そうだなあ。
どうせならオトコらしく
「リュウジ」とか、いやここはひとつ思い切って
「うさぎ」ちゃんなんてどうかな。

などと冗談を言っている場合ではない。
なにかいい方法はないものか....。


ない。

残念ながら今のところは何も
思い付かない。

正直、ショックである。

ここはひとつ冷静になって
解決法を
よ〜く

考えてみようと思う。


*長〜い文章に見えるが、大した内容ではない。
Img_5665_2

結局自分の名前は名字しか書けないという寂しいことに。
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2009年6月12日 (金)

ジョットマーイ

「そうだ手紙を書いてみよう!」

いやいやいや別に急にニッポンのことが懐かしくなって、友達に
敢えてメールでなく直筆の手紙を....などと思ったわけではなく、
もちろん「タイ人にタイ語で」という話である。

家でただ単にタイ文字の勉強を独学でするのも
けっこうツライものがあり、そんな折
ふと思い付いたわけだ。


なんと落第してしまった。

今通っている語学学校の授業は、ひとつのタームが60時間で
一日三時間×二十日間、休みの土日を除くと
約一ヶ月ごとに次のタームへと進んでいくシステムだ。

「book1」から「book7」まで段階があり、その後は教科書がなく
タイのカルチャーやニュースなどをクルー(先生)との会話で
学ぶと共にタイ語の上達に繋げる、といった授業になるらしい。

昨年十二月に「book1」、今年に入って二月三月にそれぞれ
「book2」 「book3」と進み、内容が難しかったので
復習する為に一ヶ月インターバルを置き、五月から
「book4」を受けていたのだが、水曜がその最終日だった。

「4」及び「5」の内容は「読み書き」であり、「4」の内容を充分理解し、
その法則などをしっかりと憶えてからでないと次には上がれない。
どうやら「5」が最も難しいようで、受けてきた生徒達もクルーも
口を揃えて言うのだから実際そうなのだろう。

当然のごとくテストがあり、
見事に落っこちたというわけだ。

一日も休まず、宿題も復習もキッチリやっていたにも関わらず、
数ある文字や記号及びその書き方の法則や
「ピセート(特別な)」と呼ばれるスペシャルワードなどを
とても憶えきれておらず、しかも書き取りテストではなんと
「十問中全問不正解」という散々な結果に終わってしまい、
なんとも情けない限りだ。

当然「book5」には進めず、5500THBも支払って再び
同じ授業を受けるのも退屈きわまりないので、しばらくの間は
自習というかひたすら独学せねばならず、その一環として
「ジョットマーイ(手紙)のキアン(書く)」も取り入れようと
考えたのである。

「タイの読み書きルール」も前半の簡単な部分しか学んでいない今、
ケータイのメールのやり取りはさすがにまだ早く、一方的に
ひたすら文字を書きつらねて相手に渡すくらいのことなら
なんとかできそうなので、とりあえずトライしてみようと思う。

もし返事が来れば頑張って解読すればいいだけのことだし、
それもまた当然学習の一環となる。

さて、誰に書く?

せっかくならラヴな要素の入ったものが良いし、そうなると
Bちゃんくらいしか思い付かないなあ。

関係としては「フェアン(TK=友達以上恋人未満)」である
彼女に対して書くとすれば
「お前のことは好きなんだけど恋人としてはどうしても考えられない」
的な内容になってしまい、やや難しそうな気はするが
それもまあよかろう。


元々手紙を書くのは好きで、昔は、夜どうしても眠れない時など、
好きな相手に対してその想いを綴ったりしたものだ。
そんな「似非ロマンティック指向」にあったオレだが、
投函する前にコピーをとっておいて後で読み返してみたりと、
何とも中途半端なオトコだなあと自分でもつくづく思う。

中には、読んでいるうちに当時の気持ちを思い出し、
涙が溢れてくるようなものもあったが、ただ二通のみを残し
ニッポンを離れる前に全部処分してきた。

その二通とは、人生の中でおそらく....
いやマズいなそれはさすがに。とにかく、
Mに向けて書いたそれをたった今読み返してみただけで
かなり心が揺れた。

ずっと書こうと思い続けて、未だに完成しない小説の主人公である
彼女に宛てたその手紙のコピーをわざわざタイにまで持って来たのは
当然のことながら資料にするためである。

一通目の日付は1997年8月2日。
二通目はなんと日付が書いていない!
が、内容からしておそらく1999年の終わり頃。

「五ヶ月」というタイトルを目にしただけで、間違いなく
オレの作品だとわかるはずの彼女から、
二通目の返事は来なかった。

当初は、その手紙が何らかの理由で彼女の手許に届いていない、
つまり、Mはそれを読んでいないのだろうと考えたのだが、
どうも納得がいかず、ひょっとして読んだものの
「ある事情」で返信ができないのでは?という思いが沸いてきて、
1旦那に読まれた。
2一切関わりたくない。
3記憶喪失。
など、様々な妄想をするうち、そのことが
創作におけるヒントとなったりもした。

彼女から届いたのは、結婚式の当日
花嫁控え室で書いたと思われる短いものが一通。
読めば号泣必至のその内容は、ただ
謝意を表すものだった。

永住する覚悟でタイにやってくる直前、
独り金沢に出向いて手紙を宛てた住所を確認してきた。
当然のごとくもうとっくの昔に引っ越した後であり、
表札の名前も変わっていたその一軒家の前を、
何故だかいつまでも離れられず、いろんなことに思いを馳せて
センチメンタルな気分になった後、
「やはり彼女はあの手紙を読んではいなかったのだろう」
と、自分なりにケジメをつけてから
ニッポンを後にしたのだ。


タイに来てからも幾度となく試みてはいるが、
現実の話とかけ離れて行くほど、どうしても筆が鈍ってしまう。
実話ではなく小説なのだから、創作せねばならぬことは
充分わかっているのに、少しでもリアリティーを感じられなくなると
何故か気持ちが冷めてしまうのだ。

「いっそ全く違う話を書いてみよう」と、全く別のプロットを考えて
書き始めてみたものの、これもやはりうまくいかない。

結局のところ、こうして
実際にあった話を日記として綴ることしか
自分にはできないのかもしれない。
文章を書くのは大好きなのだが、創作や芸術性となると
全くと言っていいほど才能がないのだ。

そう思うと、なんだか無性に寂しいので、
この機会にもう一度トライしてみようと考えてはいるが....。

ヨーロッパのサッカーリーグがシーズンオフに入ってしまい、
見たいTVがほとんどない状況で、学校にも行かず
家で引き蘢ってタイ文字の勉強ばかりでは、すぐに
煮詰まってしまうに決まっているからね。

幸いなことに時間はたっぷりあるのだ。

仕事を始めるまで、と考えればひょっとして
これが最後のチャンスなのかもしれない。

同じことの繰り返しなのかもしれないが、そうやって
同じことを何度も繰り返すというのは、ひょっとすると
「ものすごく重要なことなのではないか」と、
今なら思える。


まずはタイ文字の手紙からだな。

そうそう。
そーいえば小説の始まりも
手紙だったことを

たった今思い出した。


*最近すっかりハマって毎日食べているライチ。
これ以上剥くと果汁が溢れるほど瑞々しいのだ。
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マンゴスチン(18THB/kg)も安くてうまいが、
ライチにはかなわないなあ。
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2009年6月 5日 (金)

トゥアサゴット

結局のところ最も難しいのは、声調(イントネーション)などよりも
「トゥアサゴット」と呼ばれる部分、英語で言えば
「final consonants」、ニッポン語に訳すのならば
「語尾」なのではないだろうか。

ニッポン語の場合、どんな単語でも
「ん」以外、語尾は全て母音で終わるわけであり
「しりとり」でならば
「ん」で終わる言葉だと次に繋がらないから、
当然のことながら負けとなる。

ところがタイ語には、語尾が子音で終わる単語が多く
「m」「n」「ng」「w」「y」「ph」「th」「kh」など、
カタカナでは表記しにくいのだが、とにかく
語尾の音が違えば意味も異なるわけで、
意識してハッキリ発音しないと通じなかったりするし、逆に
それらを聞き分けるのも、慣れていないニッポン人にとっては
かなり困難なのである。

ちなみにこのブログ日記のタイトルは基本的に
タイ語をカタカナで表記しているが、語尾の書き方が難しく
悩むこともしばしばであり、実は間違っていたことに後で気付き、
訂正したことも一度や二度ではないし、正確には
間違っていたとしても、違和感がある場合は
あえて語尾の音を書かなかったりもする。

例えば、歌を歌うことをタイ語では
「ローングプレーング(roong phleeng?)」というのだが、
そのように書くとどうしてもおかしな感じがするので、
「ローンプレーン」にしてみたり。

そうなのだ。
特に「ng」で終わる言葉はとにかく聞き取りにくくて、
実際にそう発声してみてもなんだか気持ち悪い。

「フォン、トック(雨、落ちる→雨が降る)」
「タムルーアットゥ、ジャップ(警察、捕まえる→警察に捕まる)」
などはまだ語尾を発音しやすいが、これも最初の頃は
「本当?」
「たまらんじゃん!」などと聞こえたものだ。

あと、パンツやショーツなどの下着のことが、何度聞いても
「関係ない」に聞こえるのだが、これも正確には
「ガーングゲーングナイ」と発音する。

こちらに来てもう九ヶ月も経つというのに何故
今更そんなことに気付いたのかと言うと、実はタイ文字の
読み書きを習い始めてようやくわかったわけであり、つまり
文字で書いてあるものを読んでみて初めて、今までずっと
語尾の発音を勘違いしていたことに気付く単語があまりにも多くて、
恥ずかしさのあまり赤面しつつ入る穴を捜してしまうほどなのだ。

あともうひとつ、母音の発声もなかなか難しく、ニッポン語なら
「あ」「い」「う」「え」「お」の五つだが、
タイ語には基本的に九つの母音があり、
「う」「え」「お」がそれぞれ大小二つづつプラス
「う」と「え」の中間の「ゔ」みたいなのも含めるともう完全に
未知の世界である。

その九つに「あ」「あー(ああ)」の長短各二種類と、
「あい」「あう」「あむ」「ああい」などを含め全部で
三十七種類(多分)の母音の記号を、
四十四種類の子音記号に組み合わせて文字を作るのだが、
「ピセート(特別)」と呼ばれるものや、都合で勝手に作られた
「タイルール」を全て憶えるのはなかなか大変だ。

毎日二時間目に「キアンタイ」と呼ばれる書き取りテストがあり、
クルーの言葉を何も見ずにタイ語で表記するのだが、
予習復習&宿題もせっせとこなしてかなり一生懸命
勉強しているのにも関わらず、全十問中
九問は必ず間違える。

よーするに母音と語尾の聞き取りがきっちりできないわけで、
先生の口の動きを最後までじっと見ていても
小さい「え」と大きい「え」や、
「ン」と「ング」の違いがちっともわからない。

タイガールとの会話でも、面と向かって話すとまだ通じるけど、
電話になると突然意思の疎通がとれなくなるのも
その辺りが原因だったのだろうか。

タイポップスをとりあえず一曲憶えようと、
耳コピーで知っている単語を繋げて歌詞をなんとなく
勝手に想像して憶えていたら、Bちゃんに聞いたところ
実際とは全く違って、ヒアリング力のあまりの低さに
あらためて愕然としてみたり。

なんだか
「今までやってきたことはなんだったのだろう」的なショックを受け、
ちょっとガックリきてしまっているが、ポジティヴに考えれば
タイ文字の読み書きを憶えることにより、語尾や母音の発音から
声調まで、あらためてキッチリやり直せばいいということか。

ただし、読み書きについてはもう丸暗記するしかないわけであって、
年老いた我が脳みその記憶力を考えるとやはり不安ではあり、
例えば新聞を読めるようになるまでに、あるいは
映画やカラオケの字幕スーパーについていけるようになるまでには
いったいどれだけの時間を要するのかと思うと、
気が遠くなる。


あかんあかんあかん。
話が暗いぞ。

本当は他にオモロいネタがいくつかあったのに、
何故こんなつまらない内容になってしまったのか。

愚痴なのかな。

まあ、とにかくだ。

タイ語でしりとりをするならば、
「ん」で終わっても負けではないということだな。

そんな感じで
今日のところはなんとか

勘弁してもらおう。


*雨期に入ってまたまたおいしいフルーツが出てきた。
ライチはニッポンで食べた物に比べて驚くほど瑞々しく、
そして甘い。
Img_5649

しかも相当安い(50THB/kg?)のだ。
Img_5650_2

マンゴーの旬はそろそろ終わりか。
Img_5651

一番好きなソムオー(ザボン?)は、ほぼ
フルシーズン流通しているみたいだね。
皮を剥いたものが売っているのでとてもありがたい。
Img_5652

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