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2010年5月19日 (水)

ペンフワング

「ついに装甲車まで出てきたか」


二ヶ月以上にわたって行われてきた
「赤服軍団」による抗議デモ活動も、どうやらいよいよ
終焉に向かっているようだ。

十日ほど前、アピシット首相がデモ隊に対して
「現政府の解散時期を早める」提案をした時には、
その条件をのんでデモを終結するような動きもあったのだが、
「強硬派」が許さなかったのか結局終わることはなかった。

元々、某「UDD」は
「穏健派」と「強硬派」の間で意見が分かれがちであり、
ことあるごとに揉めている印象だったが、
強硬派の筆頭とされる人物がなんと現役陸軍の某小将らしく、
タクシン派の彼がデモ隊に武器を横流ししたりしていたという。

そのK氏がタイ国軍のスナイパーに暗殺されてから、
事態が大きく動いたのではないかと考えられる。
すなわち、政府としては交渉を半ば諦めて
「強制排除」を本格的に開始したというわけだ。

ラオにヴィザを取りに行ったついでに
コーンケーンで数日滞在していたオレは、土曜の朝
帰りのバスの中で、一緒にいたSちゃんが友達から聞いた
「B.T.SとM.R.Tが完全に止まっている」という情報と共にその
「暗殺事件」を知り、暗〜い気持ちになっていた。

デモの早期解決を望んではいたが、できれば穏便に
なるべく犠牲者を出さないように、と願っていたのに、
どうやらそれは叶わぬことだと知ったからである。

そして翌日の日曜には政府から
「月火曜の二日間を公休日とする」と発表があり、つまりは
「いよいよ危険だから外に出るな」ということであり、
TVのニュースでは、街の所々で上がる黒煙や、
病院に運ばれるケガ人などの映像が頻繁に流れる。

長い正月休みを終え今週から始まるはずの学校も
しばらくは休校となり、
「学生達はどうせヒマだから遊びに来ているよ」と、
元気な友達からディスコに誘われたが、さすがのオレも
そんな気にはならなかった。

結局公休日は三日間延長され、政府としては
今週一杯を目処にデモ隊の完全撤退を目指す模様。
今朝からは装甲車も登場し、バリケードの撤去など
最終的な行動に出ているようであり、計画は
着々と進行しているかに見える。

抵抗を続けているデモ隊の一部過激派にしても、
標的になりやすいから赤い服はもう着ていないし、
やることと言えば古タイヤを大量に燃やして黒煙を巻き上げたり、
ビルに火をつけようとするくらいのことであり、それ以外の人々は
政府が出している「撤収用のバス」に
次々と乗り込むのではないだろうか。

これらはいずれもTVやネットのニュースからの情報であり、
現場からはかなり遠いオレのアパートの付近では
危険を感じることはまったくないし、あまり
近づかないようにしていたので雰囲気はよくわからないが、
ニッポンから友達が来ていた時、一度だけ
「チラッ」と覗いてみたところ、古タイヤと木の棒で作られた
「バリケード」などは一種異様な雰囲気だったし、
軍隊の若い兵士達が銃を構えて交通整理をしている姿は、やはり
見ていて気持ちのいいものでは決してない。

現場近くに住んでいた人達はきっと大変だったろう。
コンビニに買い物に行くことすらためらわれたのでは。
いずれにせよ、間もなく終わるだろう。
一刻も早く街に平和が訪れることを願いたいものだ。


それにしても、今回の騒ぎにはさすがに参った。

一昨年の某
「P.A.D」による空港占拠の時も相当驚いたが、とにかく
「この国に骨を埋めよう」と思ってやって来たオレにとって、
かなり不安になる事件であったことは間違いない。

本来ならばこういう時、厳かにひと言
「国のためにならないことはやめなさい」と、
貴重なお言葉を下さるはずのプミポン国王が
今ひとつお元気でない様子も気になる。

「不敬罪」が厳しいので詳しくは書けぬが、
王室の将来のことも含めて、この先
「タイという国がどうなっていくのか」について、正直
不安で仕方がない。

ニッポンから東南アジアの国にやって来て、
経済などの発展に期待する一方で、こういったことも
ある程度覚悟せねばならぬのは当然だが、それにしても
「国のしくみ」自体に大きな疑問を感じるのは事実。

こうしている間も、ニュースでは現場の音声が流れ
人々の叫び声が聞こえたりしてくるのである。

今、代表者の一人(おそらく最重要人物)が
軍に連行されるシーンが映し出された。
これで事態は一気に収束に近づいたはず。

間もなく平和な日々が戻って来るだろう。


しかし、今回の事件も
人々の心に大きな傷を残したことは明らかである。

とにかく今は、
亡くなった方々のご冥福を

心からお祈りするしかない。


*「ペンフワング(22111)」は「心配な(だ)」という意味である。

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