« タクシン | トップページ | カオヂャイピットゥ »

2010年5月23日 (日)

ファイダップ

「夏の稲妻か」


独りで言って独りで
「ふん」と笑う。

洒落でもなんでもない。
「常夏の国」タイだが、ちゃんと季節はあり今はまさに
「真夏」なのだから。

ただ、その昔流行ったフォークソングのタイトルと
歌そのものを思い浮かべて
「オレも年を取ったものだな」と、つい
変な笑いが込み上げてきただけ。

稲妻は美しい。

雲が覆った空全体が真っ白に一瞬で二度
「ピカピカッ」と光ったかと思うと、遥か彼方で
「ギザギザ」に鋭く輝く光が地上に線を引く。

「いったいあそこに何万ボルトの電気が流れているのだろう」

そう考えただけでワクワクするではないか。

「ザーッ」と窓の外で雨の音がしたので、
テラスに出てみると遠くの空が光っていた。
エアコンの室外機の熱気で空気が
「モワッ」としたが、我慢してイスに座り
「ジーッ」と空を眺める。

最初は遠かったがだんだん近づいて来て
雨が激しくなると稲妻は長く
「光」と「音」との間隔は短くなる。

そうなるとこれはもう
「ショー」だ。
美しい自然の
「ショータイム」である。

それにしても、
「ちじょう」の一発目の変換が
「痴情」とはいったいどういうことか。

まあよい。

とにかく、
ブログのタイトルにしようと早速辞書を引くが、
「雷」も「稲妻」もないではないか。
たった四千語余りの安物ではダメなのか。
「カミソリ」はあるのに。

もっと高度な辞書を手に入れねば。

そう思った次の瞬間部屋が暗くなり、
すぐに明かりは戻るが、デジタルクロックの数字は
「0:00」で点滅している。

そう。
クルングテープ名物
「停電(ファイダップ22111)」だ。

しょっちゅうのことなので、もう
「慣れっコ」なのだが。

仕方ないのでタイトルはこっちにしよう。


さて、どうやら争乱も去り、
街に平和が戻りかけているようだ。
ニュースによれば明日からは「B.T.S」も運転を再開し、
「日曜からお店も通常営業です」という内容のメールが、
今日の午後マスターのJ氏から届いた。

その前は二十日、つまり一昨日(木曜)のお昼に同じく
マスターから電話があり、前日に
「夜間外出禁止令」が出てから深夜家に戻る途中の
「ひとっこひとりいない」状況の解説と、
「昼間の街の様子」のリポートを伝えてくれた。

「タクシーすら拾えなくて(空車が通らない)、
エカマイまで歩いてやっと捕まえた」ということは、少なくとも
数十分はとぼとぼと歩いたわけで、その間きっと
心もとなかったことだろう。

もう一本は翌二十一日(金曜)の昼。

けっこう意外な人物からあった以外、電話もメールも
ケータイの着信は一切なし。

そういう状況にしているのは自分自身なので、特に
「寂しい」わけではもちろんないが、相変わらずの
「友達の少なさ」には我ながら恐れ入る。

タイだけぢゃなくニッポンでもそう。

現地でどういう報道かは定かでないし、
ブログを読めば状況はわかる、とは言え
母国から連絡してくる気配すらなかった。
メールのやり取りをしたのは数週間前、
仕事関連のごく事務的内容のみ。

そんなことはわかっていたし、今更
「心配してくれよ」などとは1ナノも思わぬけれど、
珍しく連絡があったりすると、なんだかちょっと
「ホッ」としたりもするのだ。

「なんだ。まったく切れているわけぢゃないんだ」

そのメールアドレスの文字の羅列を見て、一瞬
「はて?」となったが、すぐに誰からだかわかった。

Mリンのケータイだ。

これまた意外な人物だったが、
後からその謎は解ける。

「いきてる?」

この上なくタイムリイな挨拶。

「生存の確認」をされて嬉しいなんて、なかなか
「異色な状況」だけど、気が緩んだためかついつい
「小さな過ち」を犯してしまった。
すなわち、このブログの存在を
彼女に教えたのだ。

「(もしも)オレのことが気になるなら」と、
ごく軽い気持ちで。

「しまった」と思った時にはもう遅く、案の定
彼女の反応は芳しくない。
元々文章を読むのがあまり好きではない(と思う)彼女にとって、
このブログなんてまるで拷問に違いない。

別に読まれてマズいことはないよな。いや待てよ、
ずいぶん前にMリンの話は少しだけ書いたけど、特に
問題はないはず。しかし記憶が定かではない。

たしか虫歯の話だ。

とにかく、彼女曰く
「よくもあんな(意味のない)長い文章が書けるものだ」と、
相変わらずの辛口批評であるが、まったく
「おっしゃる通り」と素直に認め、あれは
「自我崩壊を避けるための心のオナニーのようなもの」という、
わかったようなわからないような説明でお茶を濁しておいた。

「昔は<君>って呼んでいたのに<お前>だなんて」と、自らの
「S」の部分を導き出そうとしているオレの微妙な変化と共に、
彼女はもう一点とてもいい所にツッコんでくれた。
十七年前(仲良くしていた当時)から使っていた
「女子」なんていう表現を未だに当たり前のようにしているのが
「どうにも気色悪い」様子である。

「そうか。女子なんて言い回しはもう古いんだ」

ちっとも気付かなかった。
どうやら時代が止まってしまっていて、
オレの感覚はすっかり
「麻痺」しているのだ。

「慣れ」もコワイが
「麻痺」はもっとコワイ。という話を
つい先日も書いたばかり。
ていうか
「しびれる」「しびれる」なんて
「字づら」がすでにコワイ。
*「麻婆豆腐」の「麻」はたしか
「しびれる」の意だったはず。

では、今は何と言うのだ。女性のことを。

たまたまさっきまで観ていた
「INGLOURIOUS BASTERDS('09米)」という、
クエンティンタランティーノ監督、ブラッドピット主演の
ナチスに関する映画の舞台はフランスで、女性に対しては皆
「マドモアゼル」と敬意を表して呼んでいた。

ニッポン語でなら
「お嬢さん」だろうか。

よしわかった。ぢゃあオレもこれから
「女子(じょし)」なんて古い表現(?)はやめて、
女性のことを書く時は
「お嬢様方(じょーさまがた)」にしよう。

そーだそーだ。そーに決まった。

ちなみにタイ語で「女性」は
「プゥーイン(2212)」であり皆普通にそう呼ぶが、何故か
ラオでは「オンナのコ」のことを
「サオ(12*娘)」と呼んでいたな。

「女」なのに「竿」って。
いや、実際に
「竿付き」の女のコ(?)もいるのだから
別にいいのか。

あかん。
これってオヤジギャグだよね、完全に。
無視無視。スルーして。

それにしても、自分が
「世間から取り残されている」ような感覚を味わうと、心から
「ゾッ」とするものだね。
今みたいな「サム」〜い「オヤジギャグ(駄洒落等)」を言って、
部下達から軽蔑される部長になった気がする。

違う違う。
「夏の稲妻」はそーいう意味ぢゃないよ。マジで。

いや、若い衆にそう思われても不思議はなかろう。
某「アリス」のことを知らない世代にはね。
オレもすっかり焼きが回ったってことか。
はあ。


ところで、映画の件。

これは相当面白いよ。ホント。
タランティーノ監督の作品なんて久しぶりだが、
「傑作」と言ってもよいのでは。

長くなるから詳しくは書かないが、最近特に
「ドイツ」とか「独裁」とかに興味があるオレにとってはまさに
「ドンピシャ」のタイミングでピタリとハマった。

ていうか、いつの時代も
「大佐」はなんだか怪しいよね。
その役職名を聞いただけで
「ふふ〜ん」ってなる。

主役の「ブラ(ッド)ピ(ット)」がまたいい。

彼はヒジョーに素晴らしい役者だ。
どんな役をやっても
「カッコいい」し「サマ」になる。
「声が渋〜」くていい味を出しているしね。

そしてヒロインの「MELANIE LAURENT(メラニー・ロラン)」。
フランスの女優だと思うが、彼女がまたなんとも素敵♪

あとは音楽。
オープニングの切ない感じから、要所要所に
「いかにも」な感じの効果的B.G.Mが流れる。
「西部劇っぽい(?)」というかなんというか。

話の内容は伏せるが、この映画で重要なのが
「あだ名」だ。

「ヂュー(ユダヤ)・ハンター」「死刑執行人」
「アルド・アパッチ」「ベア・ヂュー(ユダヤの熊)」など、
いずれも敵側がそう呼ぶのだが、いかにも恐ろしい呼び名を
「業績の結果だからキライではない」と、
「SS(何の略?)」の「ハンス・ランダ大佐」は語る。

彼の任務は、ヒトラー総統の特命でフランスに隠れている
「ユダヤ人」を捕らえること。

そーいえば、かの「赤い彗星」
シャー・アズナブルも「大佐」だったな。
「危うい感じ」がなんとも魅力的な人物。

勲章がたくさんついたり、
「ビシッ」とした「軍服」をカッコいいと思うのは
オレだけではあるまい。
なんだか最近ちょっと嗜好が「アブナイ」な。

でも、もしオレが
「ニュータイプ」で「フォース」を持っていたのなら、
「ガンダム」に乗ってもいいぞ。
「ザク」や「ドム」はいやだけど。

話を無理矢理タイと繋げるならば、この国では皆
「あだ名」というか「ニックネーム」を持っていて、
通常そっちで呼ばれる。
基本的に本名は長く発音しにくいからだと聞くが、
なかなか面白いシステムだと思う。

普通は親が決めるのだろうが、それが気に入らないのか中には
自分で決めた二番目のあだ名を持つお嬢さんもいる。

昨日電話があったタイガールも実はそうで、ニックネームは
「フォン(12)」と「モナ(22)」の二種類だ。

「雨」という意味の「フォン」はとても多いので、
「他人とカブる」のがイヤなのだろうか。
とにかく彼女はおそらく自分で決めたであろう
「モナ」と呼ばれたいようだ。

しばらく連絡がなかった彼女から突然
電話があった理由は定かではないが、
色白でなかなかの美人である二十二才のお嬢さんだから
もちろん相手にとって不足はない。

ところが不思議なことに、嬉しかったのはむしろ
四十才(?)のMリンからのメールの方だった。

「口の中をすべて見られた」間柄だからか、もしくは
「センチメンタルな気分」だったからなのか。
よくわからないが、前回ニッポンに一時帰国した時、
「ちょっとしたすれ違い」のため二人きりになれなかったことも
関係しているかもしれない。

オレがまだ若かりし頃を一緒に過ごした彼女のことは、まるで
「同士」のように思える。
バブル時代にお互い
「馬鹿(なこと)」をやっていたものだ。

あの頃は今と全く違う生活だったが、
あれはあれでずいぶん楽しかったなあ。
それこそ「お姫様扱い」だったし、
「M心」も刺激された。

出逢いは某美容室で、
隣の席に座ったのがきっかけだっけ。

懐かしいなあ。

「○○リン」って呼ぶこと自体時代を感じるが、
当時はそんな感じがごく普通だったのだ。
今これを読んでいる若い衆はひょっとしたら
「キモ〜イ」と感じるのかもしれないが、本当に
そういう時代だったのだから仕方がない。

そして女のコのことを
「女子」、男の子は
「男子」と呼んでいた。

「若い衆」という言葉だって、もうかなり古い言い回しだ。
当時廻りにたくさん居た不動産業界のおっさん、いや
おじーさん達が使う古くさ〜い
「昔の言葉(表現)」を、わざと使って楽しんでいた。

「拠ん所ない事情でお先にご無礼します」とかね。

あー懐かしい。

しかし、Mリンはこれを読んでおそらくまた
「あ〜あ。なんて長い意味のよく分からない文章なのよ、まったく」
てな感じで「プリプリ」とご立腹のことだろう。

ふふふ。

今回彼女と何度かメールをやり取りして、
ニッポンに居た頃はよく、お嬢さんたちとの
「言葉のキャッチボール」を楽しんでいたことを思い出した。
タイではメールがまだニッポンほど浸透していなくて、もちろん
「絵文字(あんなのニッポンだけらしい)」なんてないし、
タイのお嬢様方とは、文章の表現で
「気の利いた会話」などできないからね。

そんなことがちょっとだけ悔しい。

イニシャルでなくニックネームを晒してしまったが、まだ何もない
モナ嬢とはおそらくこの先も何も起こらないだろう。

彼女達ともいつかは、タイ文字のメールで
「言葉のキャッチボール」や
「気の利いた会話」ができるのだろうか。

タイ語のボキャブラリイの少なさを考えると不安だな。

やっぱりニッポン語ってスゴいわ。
海外に住んであらためて感じる。

だから忘れないように、自分の考えや
思ったことをひとつひとつ確かめるように、こうして
長い長〜い文章を書くんだよ。

わかってくれたかな。


そうそう。
すっかり忘れていたが、後から解けた
「謎」とは、彼女が来月家族で
「タイ旅行」を計画していたという件。

今回の騒動で行く先を別の
「南の島」に変更せざるを得なくなったらしいが、きっと
そのことでオレの存在を思い出したのだろう。

タイで彼女と会えないのは残念だが、仕方がない。
美しいお嬢さん(娘)にも是非会いたかったのに。

またいつか来られると

いいんだけどね。


*いよいよライチのシーズンがやってきた。
Img_7181

ここまで剥けばもう「つるん」といける。
瑞々しくてとてもウマいのだ(そして安い)。
Img_7182

タイ産のワインを発見したぞ(248THB)。
Img_7175

裏にタイの地図があってわりと真ん中辺りに印が。
こんなところにワイナリーがあったなんて。
味は「まろやか」って感じ。ちなみに
この表現を使うことってあまりないな。
Img_7177

最近お気に入りの酒のつまみ。
シンプルなクリイムチーズとかピーナッツとかが
結局一番イイのだ。
Img_7158

|

« タクシン | トップページ | カオヂャイピットゥ »

「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事