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2012年8月 7日 (火)

プゥーン2

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http://www.bangkokshuho.com/article_detail.php?id=322


タイ語を学ぶ為計三校に通ったが、最初の所に
元ケーサツ官のHムという先生が居た。

タイ男子には珍しくスラッと背が高く細身、
口元に傷跡はあったが、顔の造りもまあ平均的な
三十代半ばの明るくて調子の良い感じの男であり、
プライヴェートにも生徒を誘ったりするタイプだ。

オレも一度だけ、彼の同僚ともう一人の生徒と共に
男子四人で屋台メシを喰った後、エカマイの某
「コヨーテクラブ」に連れて行かれたことがあるが、
それはまあさておき、ある時、彼は自分の
ケータイに保存されていた一枚の
写真を見せてくれた。

授業中であり、公衆の面前で
ことさら大袈裟な様子もなかったが、そこには
オートマティックタイプのメタリックな拳銃と、
横に並べてある弾丸が映っていて、少し驚いた。

「もちろん許可証を持っているからね」

Hムはこともなげに言ったけど、
オレはここが、許可さえ取れば
「拳銃の所持が認められる国」である
という事実を、初めて知ったのだった。

それが銃との
「第一種接近遭遇」である。


タイのことだから、どーせ
「許可証」などある程度の金で手に入るだろうし、
金商品を扱う店などには、強盗撃退時に備えて
「銃が置いてあるものだ」というような話も聞く。つまりは
「わりと身近な所に存在する」わけであり、この国の
「治安」について、かなり不安を覚えたものである。

その後間もなく、ニュースなどで
「拳銃関連」の事件が頻発するのを目の当たりにし、
「な〜んだ。タイもフィリピンやインドネシアと
大差ないのか」と、銃についての認識をあらため、
今ではすっかり慣れっコになってしまっているが、
よく考えてみれば物騒な話ではないか。

ただ、どこで何をしていたって
「危険」はつきものなのだから、
あまり心配してもしょーがない。しばらくは
そう思って暮らしていたけれど、
某ディスコのエントランス付近にて、
「第二種接近遭遇」をした時には、ちょっと
「ゾッ」とした。

まだ十代半ばのその少年が持っていたのは
オモチャの様な造りの小さなモノだったが、
銃把の下から取り出したカートリッジには
鉛色に鈍く光る弾丸がキッチリと詰まっており、たしかに
「引き金を引きさえすればちゃんと飛び出しそうな」
雰囲気を、充分孕んでいたのだった。

その少し前、当時通っていた某ディスコの前の路上で
「銃絡みの事件があった」とスタッフから聞いていたので、
「まあ、こんなもの持っていれば撃ちたくもなるわな」と、
妙に納得してしまったのを覚えている。

自慢気に見せびらかした後、それを大事そうに
パンツのウェスト部分にしまう少年とは、一応
会えば挨拶を交わす顔見知りだったから、彼が
「暴発させてチ○コを吹き飛ばさぬように」と、
密かに祈ったものだ。

しかし、その少年だっていつ
「敵」に変わるか分からない。

だから、それをきっかけに
「この辺りをフラフラしている限り、いつか
揉め事に巻き込まれて撃たれる可能性もある」し、
揉め事に巻き込まれる可能性が決して低くないのを
「重々承知」していたオレは、ある意味
「遊ぶのも命がけだな」と、開き直れた。

今思えばちょっとコワイけど、よほどその
界隈が楽しかったのだろうな。

愛すべき店は長期間に渡り営業を停止しており、
ひょっとするともう二度と
開くことはないかもしれないので、なんとも
寂しい限りである。


ま、いずれにせよ、当然
「銃の危険」が去ったわけではなく、
日頃の生活に注意が必要なのは間違いない。

「第三種接近遭遇」が
起こらぬよう

祈るばかりだ。


*「プゥーン(222)」は「銃」の意。

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