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2014年5月31日 (土)

そこに海がある、というだけで

買い替えてからはほとんどなかったのだが、昨日
日記を書いていたら突然パソコンの画面がフリーズし、
保存などしてなかったので当然内容はぶっ飛んだ。

以前はこーいったことがままあって(操作ミス含め
年に数回)その度に激怒していたし、ほぼ書き終えた
短い小説が消えてしまった時は、あまりのショックに
部屋の中をやたらと歩き回ったりベッドの上に何度も
ジャンプしたりしつつ、おかしくなりそうな頭の中で
最終的には復讐まで考えたものの、結局その
対象(パソコン?自分?)や具体的方法が思い付かず、
うまく処理しきれなかったあの時の悔しい気持ちを
今でもよ~く覚えている。

「復讐」なんてロクデモナイということは知っているし、
昨夜たまたま観た映画(「コロンビアーナ」)の
テーマにもなっていたではないか。そしてそれは何故か
「ぶっ飛」んだ日記の話にも繋がっている。
さほど頭にはこなかったもののわりといい話だったし、
せっかくなので記憶を頼りに書き直してみようと思う。

どーせヒマだしね。


海の見える某
「〇〇〇」に置いてあった村上春樹氏の二冊の
ハードカヴァーを読み終えてしまった。

他の作家の方々には大変申し訳ないが、とにかく
筒井康隆大先生および村上春樹氏の小説とそれ以外では
圧倒的な差があり過ぎて困ってしまう。特に
村上氏の作品にはいつも
「徹底的に打ちのめされ」る、もしくは
「猛烈な創作意欲をかき立てられ」るほどの刺激があり、
「エンターテインメント」を純粋に心ゆくまで堪能できる
(読みながら大笑いすることもしばしば)
筒井作品の素晴らしさも含め、どちらにせよ
「何故こんなに読点を打つのだ!」とか
「いやいやいや。さすがにそれはないわ」などと
「イライラ」しつつ読むのとは大違いなのである。

ただ、シチュエーションだけは決して悪くない。

時間に追われることなど一切なく、
日常生活の煩雑時を気にするでもなく、
(たまに隣席のインド人連中が騒ぐのを除けば)
他人との干渉もなくひとり静かに、
陽が傾いてやや涼しくなった海辺のテラス席にて
爽やかな風を感じつつ、大きめのカップに
タップリと入る丁度いい具合に薄められた
エスプレッソのお湯割りを飲みながら小説を読む。

なかなか素敵ではないか。

だから内容に文句をつけては罰が当たるが、特に
村上氏の作品であった場合、それは
「至福の時」となる。というお話だ。

そして、
そこに海がある、というだけで気分は随分違う。
パタヤに住むことになった最大の理由でもある。
ビーチや水が汚かろうが別にどーでも良い。
特別好きなわけでもないし、不思議なのだけど
何故だか心穏やかになるのである。

そこに海がある、というだけで。


さて、今回も例によって
村上春樹氏の小説には相当に刺激を受けた。

もちろんオレもファンの一人であるがそれにしても
どーしてここまで一般大衆にウケがいいのだろうか。
理由のひとつは、主人公が
「等身大」(特に長編の場合)だからかもしれない。
「ああ。分かるな~その気持ち」としばしば思うし、
「感情移入」し易いのは異性にとっても同じなのでは。
しかも表現や描写がやたらとキレイだから
「グッ」とくるのだ。
真似できないなあ、と毎回打ちのめされる。

最新の短編集、
「女のいない男たち」なんて、もうほとんどが
「うわ~。これオレの話やんけ」と心打たれた。
実際、そう感じた男性諸氏は多かろう。
裏切られた経験は糧にもなるけれど、やはり
一度深く傷付くとなかなか立ち直れないものなのだ。
「復讐」だの「当てつけ」だの
ロクデモナイことを考えたりもする。

人間なんて弱いモノなのである。


大きく分けるとすれば、
「特定の異性(もちろん同性でも良い。つまり恋人)と
長期間に渡って上手くやっていける」人と
「そうでない」人がいると思うのだが、
間違いなくオレは後者なわけで、だいたいにおいて
何らかの大きな理由やきっかけがそこには存在する。

もちろんオレ自身にもあって、それは
今から三十年前のある出来事。

激しく深く傷付いた若き青年は
「復讐」を固く心に誓う。
そう。
「女」という生き物に対して......。

かくしてオレも文字通り
「女のいない男たち」のうちの一人となった。

オトナになって、じーさんになって、
海辺のテラスで恋愛小説を読みつつ
感慨に耽る。

それも
一つの

人生なのだ。

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