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2015年1月18日 (日)

「絶対領域」内まで侵犯できずじまいだった話

たまに、ごくごくたまにだけれど観たくなるのが
「想い出DVD」であり、何かの拍子で触発されて
ついつい観てしまうのであった。

これがまた、実にオモロイのだ。

いよいよもう十年ぐらい経つので、さすがに
画面の中のオレ自身はやや、若い感じがする。

タイに移住することを想定する前、後いずれも
「想い出作りの為に」と、撮影する相手に断っている
(*ただ一人「姫」だけを除いて)。

その二番手に映っているSリ嬢について、今回
いろいろ思い出したので文章にしてみたいと思う。

「ホロ苦い想い出」シリイズだ。


彼女と知り合ったのは二度目に店を閉める
少し前のことだった。

独りでやって来てカウンターに座る、いわゆる
「カウンター族」の男子であり、
カノジョにフラレたばかりのS君に新しい
恋人ができますように、と、ウチの店で
「飲み会」をやることになって、その時に来た
女子チームの中の、オレの好みのタイプのコを
「個人的に紹介してくれ!」と頼んだのだった。

昔からの知り合いだった彼は
「シュッ」とした甘いマスクで細身の服飾デザイナー。
屋根が開くブルーメタの某BMWに乗っていて
「いかにも」な感じなのだが、実は女性に
「滅法弱い」というナイーヴなヤツであり、
カノジョとうまくいかなくなってフラレるまでの
経過を報告されるままに、アドヴァイスしていた。

当時はその手の
「ネガティヴ」な輩(男女問わず)達から
「負のオーラ」を一手に引き受けていて、
こっちの方がおかしくなりそうな状況だったから、
そのくらいのことは許されてもいいだろう。

しばらく忙しかった彼女のタイミングを待って
数週間後、ついにデートすることになった。
三月の終わり。まだちょっと早いけれど
「鶴舞公園で花見」というベタなシチュエーション。

しかし、とても残念なことに、Sリ嬢は
デニムのジーパン姿でやって来る。実は
「絶対領域」という、その頃流行っていた
「ミニスカ」&「ニーハイ」が印象的で、その姿に
「一目惚れ」したといっても過言ではなかったから。

そして、最終的に彼女の
「絶対領域」を侵犯することは、結局適わなかった。


それにしても、今思えばオレは彼女にいったい何を
期待していたのだろうか。本来ならば、体重38kgの
「ガリガリ」女子に興味などなかったはず。

Sリ嬢はたしかに可愛らしかった。
「ヴィヴィアンウェストウッド」マニアの二十七才。
少し若く見えたけれど、現実問題
「妙齢」としかいいようがなく、その意味でも
「手を出せない」領域内に、彼女は確実に居た。

店を閉める三ヶ月前だからまだタイに行く前だ。

桜の木の前で記念撮影の後、公園を散歩しつつ
会話は進み、音楽についての話題に。
そんな感じの外観にも関わらず
「クラブ」や野外パーティーの件から
「レイヴ」に興味津々と知り、意外に思う。
「山」に彼女を連れて行くことを一瞬想像するも、
「イメージ」がちょっと違う。どちらかと言えば
「レイヴ」よりも「フェス」系であり、少なくとも
「サイケ」で昼まで踊り狂う感じではない。
だから、敢えてそれ以上話を進めないオレ。

それにしても、四十才ちょっとの当時
自分で言うのもナンだがもう立派なオトナだったし、
「接客業」だっただけあって、女子の扱いは決して
悪くない。相手にもちゃんと喋らせて
割とウマく話を繋いでいくのであった。

「カフェ」をハシゴするのだが、
「カスタードクリイム」がどーだとか
「糸唐辛子」がこーだとか、なんだか
「カフェ」的な会話を女子達は好んだものだし、
某喫茶店の店長だったオレがもちろんその手の
流れについていけないはずもなく、今になって思えば
彼女達の興味はほとんどその辺りにあったに違いない。

「ヴィヴィアン」と
「インスト(ゥルメンタル音楽)」をこよなく愛す
Sリ嬢。嫌いなモノはレーズンパクチーニンジン
茗荷梅干し漬け物全般魚介類マヨネーズなどなどなど。

「しつこい男もね」。と、お寒いジョーク飛ばすオレ。
「忙しい」という彼女を何度も誘った末やっとのことで
デートまで漕ぎ着けた自分を皮肉ってである。
もちろん、ちゃんと笑ってくれる優しい彼女。
二十代後半の女子は、とても物分かりが良い。そんな
「オトナのオンナ」との楽しい会話を思い出す度に
「センチメンタル」な気分になるのであった。

そーやって、自分に少しでも気のある女子と
二人きりで話すのはとても楽しかったものだ。
Sリ嬢に対して求めていたのも結局そーいうことで、
相手がカワイコちゃんならまさしく文句無しである。
ただ、デートしたのはその後一度きりで、最終的に
友達の女子と二人で店に来るようになり
「カウンター族」の仲間入りを果たしたのであった。


しばらくしてからその友達に聞いた話では、
「彼女の気持ちは、あとほんのちょっとで
付き合う寸前まで行ったのに」とのこと。
別に特別押していたワケでもないが、相手に
「つれなく」されると、どーしてもついつい
その気になってしまうのが悪いクセだ。

確かにほんの一時期は彼女のことが好きだった。

ただ、もし本当に恋人になっていたならば
「速攻」でお別れしたであろう。

切なくもホロ苦い想い出である。

その後、O君と付き合ったと話を聞いた。
そう。彼女のことですよ。師匠。

Sリ嬢は今頃三十代半ば。
果たして元気なのだろうか。

幸せであることを

願うばかりである。

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